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玉響物語「YURA」〜静かな海〜

第二回

 そんなことがあって、私はその場から逃げるように立ち去ってしまったものの、彼女はそれからも私の事を探していたらしく、一ヶ月後、今度は一部偶然、ほとんど必然的に再会することとなった。
 私がコーヒーショップの窓際でアイスティーを飲みながら、雑誌を読んでいるところが外から見えたらしく
――「見つけた!」と息を切らして彼女は私の前に立っていた。
 彼女は結局あの先生とは別れてしまったらしい。――結構悩んだけど、別れましょうって言ったら「別れないでくれ」って泣いてせがむのを見たらなんか馬鹿らしくなっちゃった……とは、彼女の言葉である。――まあね、彼のほうも奥さんとは別れる雰囲気なかったしねえ、結果良かったのかな。それにしてもまさか泣くとはね……二重生活を楽しんでいる節は見えたけれども……泣くほど楽しんでいたとは……。

 とまあ、私にはこんな力がある。歳は、見た目二十歳そこそこではあるものの、実際の年齢は私もよく覚えていない。生まれたのは、今で言うところの「室町時代の初期」だったみたいだから少なく見積もっても五百年以上は生きている計算になる。場所は、今の岩手県の山奥にある百人ほどの小さな村だった。隠れ里のような所で、ずっと外との交流を持たずに存在してきたのだったが、戦国の時代になると外からの人間が入ってきて村は近くの集落に吸収されてしまった。村があった頃は、むらおさが何人入れ替わっても変わらず生き続ける私の存在も当たり前になっていて、そんなに特異な事では無かったが外の世界ではそうは行かない。こんなに長く生きているということが世間にばれてしまうと何かと煩わしいので、それからはひっそりと生きている。最初は「死なない」という私の認識も、今では「死ねない」に変わっている。能力もこの時に使った霊視は、物心ついた時から備わっていたもので、最初は目の前にいる人の背景しか見えなかったが、今では関わった人のほとんどの背景を見ることができる。とは言っても、関わりが薄いとその分はっきりとは見えなくなってしまうのだけど……。それとは別に、十八の誕生日からいきなり使えるようになった能力もある。それが「予視」である。でも、この能力は相当厄介で、変わることのない絶対的な未来しか見えない。だからどんな未来でも見えるという訳ではない。昔は今のように災害対策が整備されていなかったので、火事一つとっても、何処かの家が燃えると、その区画一帯が全部燃えてしまうなんてことがよくあった。だから私としても、火事が避けられないのだとしたら、住んでいる人を誘導して被害をできるだけ抑えようと思い、それなりに使命感に燃えて行動をしていたのだが、こういう時はついつい人の目を気にせずに人々の先頭に立ち誘導していたので、「未来の見える少女」等という名前で呼ばれてしまう結果を生んでしまった。そうなると「私の将来は……?」などという個人の未来も視て欲しいという人たちも現れ始めて……。そしてこれは、私の性格上の問題なのだけれど、どうしてもその事を言わずにはいられなくなってしまうのだ。避けられないとは分かっていても「どうにかなるのではないか」「避けられないなら、なんとか有意義に過ごさせてあげることは出来るのではないか……」でも、それは私にはどうすることも出来なかった。結局、死なない私にはこれから死に向かって行く人の気持ちを本当の意味で理解する事は出来ないのかもしれない。――精一杯、残りの人生を楽しもうとする人もいる、自暴自棄になってしまう人もいる、何もせずただ待つ人もいる……。どれを選ぶかは本人しか決められない。私には何も言えない――だから、見ない。そうすれば言わずに済む。消極的に思われるかもしれないけれど、これが一番良い方法だと思ったのだ。幸い、最近では災害対策も結構しっかりとしてきて、私の「予視」がなくても大きな災害になることはほとんど無い。昔とは違う。そんな感じなので長生きというだけで、中身は普通の人間とほとんど変わらない。生まれたときに握り締めていたと言われ、今では紐付きの袋に入れて首から下げている小さな玉も、特別な力を持っているわけではなく、ただのちょっと綺麗な石に過ぎない。

 ちなみにどんなに呆けている状況に置かれていたとしても、未来が見えるようなことはない。未来を見るためには、見ようと集中しなければならないので普段は絶対に見えないのである。そこが「予視」といわゆる「霊視」の私の中での区別である。今では、この「霊視」も普段は出来ないように力をコントロールできるようになったので、桜でも見て相当油断?していない限り色々な情報が入ってくることはない。このコントロールが上手く使えていなかった頃は、どれが現実なのか分からなくなってしまう事もしばしばあったのだが……。


――ん?やっと来た……。学食の入口できょろきょろと辺りを見回している女の子。話題の女の子「当麻 零」だ。彼女は正真正銘の二十歳で大学生。急いで来たのか、肩まである髪が少し乱れている。時計を見ると十三時四十分。かなり微妙な時間……。仕方ない、今日の講義は諦めよう……別に急いで聞かなくたって、またあるだろうし……。十分遅刻か、まあ常識的な範囲の遅刻だし、許してやるか……。
 「ごめん!ちょっと遅れた!」――またまたー悪いなんて思ってもいないくせに……。待て?こんな事を言い出す時の零はいつも何か頼みごとがあった気が……。
 「あのね、また視てもらいたい子がいるんだけど……」やっぱりね!そうだと思いました!
――私の能力の一端を垣間見てしまったせいで、零は最近、私のマネージャー気取りである。別に頼んだ訳ではなくて勝手にやってくれているのだけれど……。私としても、お金は必要なのでありがたいことではある。確かに私はしばらく何も食べなくても死んでしまったり、お腹が空いてどうしようもなくなったりはしない。とは言うものの、住む所は必要だし移動にもお金はかかる、洋服だって買わなければならない。なのに、長く生きていることを隠す為に戸籍を持っていない。だから仕事には就けないし、普通の所には住めないので結構大変なのである。現在は理解ある住職さんが、お寺の一室を提供してくれているので家賃はかかっていない……ただ、この住職――色々あって私の事を神様扱いするので、多少居づらい……住職が神様ってのも変な話ではあるけれど、本人が気にしてないのだからしょうがない。
 「どう?いい?」と、いつものように上目遣いで零がこっちを見ている。「どうせ連れて来てるんでしょ?どうぞ、いいわよ」と言うと「ありがとう!」と嬉しそうに、人もまばらになってきた食堂を出て行った。――今度は、どんな子なんだろう……。
 零が連れてきたのは、リクルートスーツに身を包んだ、一見して就職活動中というのが分かる女性だった。――ちょっと地味な子ね……それが私の力を使わずに見た彼女の第一印象。
 零はやたら丁寧に「では、終わりましたら呼んで下さい」と言い残し、少し離れた所に移動した。彼女曰く「私がそばにいない方が信憑性が増すじゃない?」ということらしい――なるほど。私にとっては普通に見えることでも、他の人にとってはそうではないものね……。彼女の営業的手腕を垣間見たような気分である。
 私が「こんにちは、どうぞお掛けになって」と促すと「こんにちは、よろしくお願いします」と彼女は私の前に座った。――さてと、と力のセーブを外して彼女をじっくりと観察する。幾つかの映像が飛び込んでくるが、どれもこれもたくさんの人たちの中の中心に彼女はいた。楽しそうに笑っている彼女は、今、目の前に座っている彼女と同一人物とは思えなかった。しかし笑っている表情とは裏腹にその感情は余りにも薄い……。どうも、その辺りに彼女の悩みがありそうな気がするけど……。

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