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玉響物語「YURA」〜静かな海〜

第一章 出会い  第一回

 もともとその日は、受けたい講義があったので大学に顔を出すつもりでいた。そうは言っても、大学に通っている訳ではないので、潜り込むのだけれど……。だから今朝、大学構内でひょんな事から知り合った友人に「今日、会えない?」って電話で聞かれた時も、「別に良いよ」とは答えたものの、私は大事なことを忘れていた。
今、私の時計では十三時半。お昼の喧騒もちょっとひいてきた頃合の学生食堂、いわゆる学食である。ここの大学の学食は十一時半から十四時まではパートのおばさん達が食事を作ってくれていて食堂としての機能を存分に果たしているのだが、それ以外の時間はただテーブルと椅子のある広い空間へと変貌する。ただ自動販売機がおいてあるので缶コーヒーを片手にサークルのミーティングやら、締め切り間際のレポートをどやされながら必死に書き写すような雑談を繰り広げる学生の為の場所と変化する。だから今は食事目当ての学生と雑談目当ての学生が半々というところである。

 さて、「忘れていたコト」に戻ると、この友人は極めて時間にルーズであったということ。約束の時間は十三時半。例によって彼女はまだ来ていない。私の受けたい講義は十四時から。今すぐに来てくれれば間に合う気もするが、話の内容によっては、講義をキャンセルせざるを得ない。まあ何度も言うように、講義には潜り込むのだから、別に休んだから何がどうなるという訳ではもちろんないのだけれど……。「遅ぇーぞ!」と心の中では悪態もつきたくはなるのである。そんなことを考えながら、自動販売機でお茶を買ってしばらく待つことにした。

彼女との出会い――それは、全くの偶然だった。桜の季節、私はその日昼過ぎから一人で花見でも決め込もうと川岸を散歩していた。
この川の堤防の上にはサイクリングロードが設置されており、その道沿いには桜の樹が一、二、三、四……とりあえず数え切れないくらい植えられている。まさしく「桜川」という名にふさわしい光景である。もともとは堤防の基盤強化の為に植えられた桜であったが、最近ではもっと強化するためにコンクリート化しようとする計画さえも頓挫するほどに地域に密着している。本日はお日柄もよく、私と同じく「さてはあなたもお花見ね!」とお見受け出来る方々がサイクリングロードを横切ってビニールシートを敷きお弁当を食べていたりしている。あそこを自転車で通る為には、相当苦労するだろうなあと想像しつつ、そこを通過するために私も道から外れて草の中を歩く羽目になった……。さて、こんな大量の桜に囲まれてお花見をしていると、「あ、あっちにも……」「ん?こっちにも……」と今度は住宅街の中にもちらほらと桜が咲いているのが見え隠れしている。「確かに一面桜の花というのも素晴らしいけれど、全くそんな素振りのない所に急に現れる桜と言うのも、また乙なものね」そんな事を、考えながら堤防を外れ、住宅地へと繰り出したのだったが、辿り着いたのが長い長い桜並木。今度はまたもや一面の桜の花。しかもその直前まで、まだ満開に達していなかった桜を見て、「これがわびさびというものね」なんて一人で感傷に更けっていたものだからその衝撃たるや物凄く、そのあまりの見事さにしばらく見入ってしまった。
 たぶん、私は桜の木を見上げて呆けていたのだと思う。何故なら目の前を歩いて来ていた女の子の存在に全く気付かなかったのだから……。後から聞くところによると彼女の方はうつむいていたというのだから、まあ、当然のことながら私達は衝突してしまったのである。これ自体は単なる事故なのだが、問題だったのは、私が季節感あふれる桜の木に囲まれてパワーが充満し切っていたことと、呆けていた為に完全に油断していた状態であったこと。つまり――

 ドンッという全身を襲う衝撃のあと頭の中にたくさんの映像が一気に入り込んでくる。――四〇代くらいの男の人と若い女の子が二人で食事をしている……するとその男が……ここは何処だろう……ん?もしかして教壇?それで女の子がそれを見てるってことは……つまり、先生と生徒か……それが二人で食事ね……食事だけならいいけど……あーやっぱりねえ……そうなるよねえ。ん?こっちではこの男、赤ちゃんを抱いてるじゃないの……あー後ろには奥さんらしき人も見えるし……まあ、予想出来たけど……不倫か……。 
 と、ここまで思ったところで、我に返った。目の前に立つ女の子――今、頭の中の映像にでてきた子である。
「この子……」見た目二十歳そこそこの私が「この子……」と目の前の女の子を子供扱いするのは不可解であるかもしれないけれども、まあ、それは置いておくとして、それよりも――「この子の後ろよね……」彼女の後ろに立っているのは、さっきの奥さんらしき人……。
私は彼女の肩に手を置き、ポンと叩いた。奥さんらしき人が煙のように消えると同時に、ビクンと驚いたように彼女は私の顔を見た。「大丈夫?」と聞くと彼女は、コクっとうなづいた。「あのね、こんな事を急に言われると驚くかもしれないけど……」と前置きをおいて――「最近調子悪くなかった?」
「え?」更に驚いたような顔で彼女は私を見たが、気にせずに続けた。「あんまり、我慢しない方がいいわよ。辛い時は辛いって言わないと」「でも……」彼女はそう言って、再びうつむいてしまった。――ん〜きっと最初は奥さんがいるなんて知らなかったのよねえ……もしくは、気づいてはいたけど、あえて追及はしなかったか……でもねえ……「変なこと言うようだけど、気にしないでね。あなたの後ろに彼の奥さんがついてきちゃってるのよ」

「え!?でもまだ奥さんは生きてたハズ……まさか!?」
「いえ、違うの。死んでない、死んでない。ちゃんと奥さんは生きてらっしゃるのよ。でもねえ……なんて言うか……いるのよ」――あー完全に疑いの目を向けられてる……。見えない人には信じられないわよねえ……。でもなあ……このままほっておくと、この子、辛そうだしなあ……。今、払ったくらいじゃ、きっとまた来るだろうし……女の人ってなんでこうも執念深いかなあ……私も一応、性別女ではあるけれども、それも置いておくとして……。「霊魂っていうのはね、分かりやすい話、強い念なのよ。本体が生きてるとか死んでるとか、あんまり関係ないの。だから、今あなたに憑いてるのは彼の奥さんの強い気持ち。それも恨みの気持ち。とりあえず今、払ったからしばらくは大丈夫だと思うけど、ちゃんと彼と別れてくれればいいんだけどねえ……彼はなんて言ってるの?」
――はっ!いけない!また余計なことを……いつもそう、見えちゃうとつい気になっちゃうのよねえ……だからいつもは見えないように気を付けていたのに!あーなんで見えちゃったのよ!あ、そうか……この桜のせい……この桜がこんなに見事に咲きさえしなければ……私も油断せずにいられたのに!もう!!ごめんね、余計な事言っちゃって、私が消えるから――


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